Treatment こどもの泌尿器科

こどもの泌尿器科について

お子さんの泌尿器科疾患としてよく見られるのが尿路感染症と夜尿症です。大人と違い、こどもは自分の症状をうまく伝えられない場合もあります。親御さんは少しでも違和感を感じたら、早めに受診しましょう。

尿路感染症

尿路感染症とは、腎盂から尿管、膀胱につながる尿路の中に細菌やウイルスが入り込んで、炎症を起こす病気の総称です。多くの場合、尿道から入った大腸菌が原因となります。炎症が起きている部位によって膀胱炎、腎盂腎炎に分類されます。

こんな症状はありませんか?
  • 突然38.5度以上の熱が出る(咳やくしゃみなどの風邪症状は無い)
  • 嘔吐、下痢
  • 尿が黄色くなる
  • 排尿時に痛みがある

発熱のない膀胱炎であれば、抗生物質の服用で治ります。高熱が出て、腎盂腎炎が疑われる場合は2週間ほど抗菌薬の投与が必要になります。発熱により脱水になる場合が多いので、点滴で抗菌薬を投与し、熱が下がって食欲が出てきたら飲み薬に移行して行きます。

夜尿症

5〜6歳を過ぎたこどもで、1カ月に1回以上の頻度で夜間の睡眠中に尿失禁(おもらし)してしまう状態が3カ月以上続く場合、夜尿症と診断されます。夜尿症の原因は大きく2つあります。1つ目は、寝ている間にたくさん尿が作られること。2つ目は、寝ている間の膀胱の容量が少ないことです。また、ご両親に夜尿症の既往があるとこどもにも遺伝する場合もあります。

夜尿症の治療で大切なこと
  • トイレに行かせるために、夜間無理矢理起こさない
  • 午後から夕方にかけて、水分摂取の量を調節する
  • 膀胱に十分尿を溜められるようにするための排尿抑制訓練を行う

夜尿症の治療では、基本的に生活習慣の改善を行います。食事時間を定めて規則正しい生活を送る、寝る前には必ずトイレに行く、睡眠時の寝冷えに注意する、などがあります。生活習慣を改善して経過観察しても症状が改善しない場合は、薬物を用いた治療やアラーム療法を行います。

膀胱尿管逆流症

腎臓→尿管→膀胱の順に流れていく尿が逆流する現象です。各器官の境界にあたる部分は必要に応じて開閉可能ですが、体が未発達のため開閉がうまくできないことで起こります。膀胱部分で雑菌が混じると尿管・腎臓の感染症リスクが発生するため侮ってはいけないものです。
1才までは男児に多いのですが、1才を超えると女児のほうが多くなります。

こんな症状はありませんか?
  • 頻尿
  • 排尿時の痛み
  • 尿漏れ
  • 尿がでにくい
  • 排尿時のトラブルとあわせて頻繁に発熱する
  • 背中・脇腹の痛み など

軽度であれば成長とともに自然消滅することも少なくありません。感染症が起こった場合は抗菌薬を服用しながら成長を待つのが一般的です。ただし、腎臓の機能低下といった影響が起きている場合、手術を要することもあります。気になる傾向がありましたら、小児泌尿器科でご相談ください。

陰嚢水腫

陰嚢が水ぶくれにより肥大する現象で、陰嚢を包む膜の部分に水が溜まることによって起こります。元々お腹の中には腸の働きをスムーズにする腹水がありますが、小児の陰嚢水腫の場合、腹水が溜まっているところと陰嚢がつながっているため腹水が流れ込み、陰嚢水腫になってしまうことがあります。

こんな症状はありませんか?
  • 陰嚢に水が溜まっている
  • 陰嚢が異常に大きく膨れている
  • 水が溜まった陰嚢が固くなっている

成長とともにお腹と陰嚢をつなぐ水の通り道は自然と閉じます。しかし、下記2つの場合、手術を要する場合があります。

  • 3才をすぎても陰嚢水腫がおさまらない
  • 鼠径ヘルニアもあわせて発症している

また、陰嚢水腫の場合、痛みがないことがほとんどですが痛みがある場合、そのほかの重大な疾患の可能性がありますので注意が必要です。

小児尿路結石

小児尿路結石は大人の尿路結石と同様に、尿に含まれるカルシウム・リン酸塩などが腎臓で結石化する現象です。子どもの食生活の変化や持病により服用している薬によって尿路結石ができやすい場合があります。

こんな症状はありませんか?
  • 下腹部、わき腹の腹痛
  • 血尿
  • とても強い尿意が突然くる

治療方法は基本的に結石を溶かすか体外に出すか、のどちらかです。結石を溶かすなら薬物療法ですが、ごく限られた場合にのみ使える方法でおすすめできない場合もあります。
多くの場合は、体外に出す方法が用いられ、痛み止めなどを利用しながら水分をしっかり摂り、排尿によって外に出します。
結石がある場所と大きさによっては排尿時に痛みをともなうこともあるため、外科手術により砕いて小さくしたり取り除いたりすることも可能です。

広島市の「みんなの泌尿器科クリニック」は子どもの泌尿器科、女性の泌尿器科にも対応できるクリニックです。
泌尿器科というと性病やデリケートゾーンの疾患というイメージから行きづらさを感じている方もいらっしゃるかもしれません。
当クリニックはそのイメージを払しょくする雰囲気で「ご家族でお越しいただける泌尿器科」です。
もし、お子様の体のことで泌尿器科が関連していそうな場合は、躊躇せず、お気軽にご相談ください。

こどもの泌尿器科に関するよくある質問

こどもが急に頻尿になることはありますか?何か原因でしょうか?

こどもは、幼稚園などの学校や家庭でのちょっとしたことで頻尿になるケースがあります。
多くの場合、あまり心配せず様子を見ていて問題ありませんが、長引く場合や痛がる様子があれば受診することをおすすめします。

小学生になってもおねしょがあります。大丈夫でしょうか?

おねしょは成長とともに治ることですので心配ありません。
ただし、膀胱機能の異常で膀胱のおしっこが腎臓に逆流する病気(膀胱尿管逆流症)であるケースが、ごくまれにあります。
夜尿症診療ガイドライン2021は、5歳以上で1ヶ月に1回以上の夜尿が3ヶ月以上続く場合を「夜尿症」と定義しています。
おねしょの頻度がこの定義より多い場合は、一度受診するとよいでしょう。
性別や年齢、おねしょの頻度、季節などを踏まえ、おねしょのタイプから治療方針を決めていきます。
治療は、生活指導と錠剤の内服薬や点鼻など、タイプに合わせて提案します。

陰嚢が片方だけ膨れることはありますか?

陰嚢が腫れる原因には、「陰嚢水腫」「精巣腫瘍」「精索静脈瘤」などがあります。
こどもの陰嚢水腫は自然消退することが多いため、様子を見ていて構いません。
精巣腫瘍の治療は、精巣を温存して腫瘍のみ摘出する手術を行います。
こどもの精巣腫瘍は、その多くが良性の腫瘍です。
精索静脈瘤である場合、睾丸の発育が遅れることがあるため注意が必要です。
睾丸に痛みがある場合、また左右の発育に差がある場合は手術を行います。

陰嚢に痛みがあるようです。受診したほうがいいですか?

陰嚢の急な痛みで最も多いのは、精巣(睾丸)のそばにある精巣上体(副睾丸)に炎症が起こる「精巣上体炎」です。
よくある症状として、陰嚢に痛みを伴う腫れや発熱、尿の濁りが挙げられます。
抗生物質の内服や点滴で治療を行い、たっぷりと水分補給をしながら安静にして局所を冷やします。
陰嚢に急に強い痛みが起こるケースとしてもう一つ押さえておきたいのが、精巣へつながる血管が捻れてしまう「精索捻転症」です。
小児から中学生に多く、6時間以内に手術で捻転をもとに戻す必要があり、治療が遅れると精巣が血行不全に陥ってしまうことがあります。
「精巣上体炎」と「精索捻転症」は区別が難しく、陰嚢を痛がっている様子があれば早く泌尿器科を受診いただくことが大切です。

広島市で小児の診療も可能な泌尿器科クリニックをお探しなら

広島市で小児の泌尿器科クリニックをお探しなら、ぜひ広島市西区のみんなの泌尿器科クリニックへお問い合わせください。
みんなの泌尿器科クリニックは、小児からご年配の方まで、男性・女性問わず「みんなが」安心して受診・通院できる地域のかかりつけ医を目指しているクリニックです。排尿トラブルはもちろん、尿路のがん、尿路感染症・性病、男性の機能障害など、様々な症状に親切・丁寧に対応いたします。
泌尿器科疾患や性病はデリケートな問題ですので、他の患者様を気にせず、安心して受診していただけるよう配慮しています。
少しでも心配なことがあれば、一人で悩まずに、お早めの受診をおすすめします。
小児の場合、泌尿器科トラブルとして尿路感染症と夜尿症がよく見られます。
小児の泌尿器科疾患は、性別を問わずどのお子さんにも起こり得るものです。
こどもは症状や不調を伝えられないことが多いため、親御さんが不調に気付いた際は、早めの受診がおすすめです。
広島市で排尿トラブルにお悩みでしたら、性別・年齢関係なくみんなの泌尿器科クリニックへお気軽にご相談ください。